ぎゅうぎゅうに膨らんでいた風船からゆっくり空気が抜けていき、ほんの少しの虚無感が残る日々を過ごしている。
今回は少しだけ萎んだ、それでいてとても恋しい気持ちを残しておきたいと思う。
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2日前、月山ちゃんとまるみちゃんと夜の海へ行った。
2人とも会うのは初めてだった。海へ行くことは前日の夜に唐突に決まった。そしてその内の1人は当日に急遽駆けつけてくれることになった。
まるみちゃんとまず初めに会った時、びっくりするくらい緊張しなかったことを覚えている。なんだかずっと前から知っているようなけれどなんとなく小っ恥ずかしいようなそんな感じ。
溢れんばかりの愛を具現化したような、それでいて爽やかな子だった、想像通りでなんだか少しだけ嬉しかった。
車の中でシャッフルで流れてくる防弾の音楽と、小声の会話が心地よく少し眠くなってしまうようなそんな癒しがあり すでに幸せを感じていたことを覚えている。
海に着くと、月山ちゃんがいた
10月の海にひとりノースリーブで佇んでいた
「さむくないの?」なんて声をかけたけど
それはきっと照れ隠しで、こんなに美しい人がちゃんとこの世にいるんだなあと思った。
暗闇の中でお互いの顔もよく見えなかったけど、なんだかとても美しい人だなと感じた 不思議だね
それから3人でしばらく夜の海を眺めたり
砂浜で個々で走ったり踊ったり。
7時頃の海は冷たかった、それでいて大きかった
空はまだ青と紫が混じったような色をしていた
水平線の向こうには光の街が左右に分かれていて、
こっちが東京の光、こっちが飛行機の光
と、まるみちゃんは教えてくれた。
私はどっちが好きだったんだろう、まるみちゃんはどうだったのかな、ただどちらの光もまばゆくて繊細で普段より少し離れたところから見るものというのは、また違った意味合いを持つのだなと思った。綺麗だったなあ。
そしてeuphoria、LoveMyself、magicshop
もろもろ聞きながら3人で肩を寄せあい腕を回しあった。
人対人なのだと思った
少しだけ、怖かった
あれだけみんなと夜の海で手を繋ぎ寄り添い合いたいと思っていたけど いざとなるとなんだか、申し訳なくてこの温もりが怖かった
そこに月山ちゃんとまるみちゃんではなく、人と人、本名の彼女らがここにいた。
少しだけ、怯えてしまっていた。
その時 私の手も欲しいと静かに言葉をなげかけてくれた。あぁいいんだな、となんだか泣きそうな気持ちになって2人の体温を腕に感じながらただ海を見つめた。
喉を壊しているまるみちゃんは2人の真ん中に入り小声でそしてたまに筆談で笑 ぽつりぽつりと会話をした
ちゃんと寂しくなかったよ。
まるみちゃんは命あるものを愛せる人だと前々から知っていたけど今回この身をもって実感した、人より少しだけあたたかいまるみちゃんの手や肩で私らを包み込んでくれる姿にただ寄りかかっていた。こんな人多分いないなあ、
砂浜に寝っ転がったり、
おにぎりやスコーン、ぶどうこんにゃくなんかも一緒に食べて、静かで愛の溢れる時間をただただ享受している時間はとても心地よくああもう一生帰りたくないな、なんて思ったりもした、朝焼けの海次は見よう
花火も上がった
こんな偶然あるのかなと、ただ夢のような時間を過ごした
もう帰る時間になった時
月山ちゃんがある詩をぽつりぽつりとゆっくりと零していった。
一つ一つの言葉が砂浜に落ちて海に溶けてゆく様子をこの目に見た
そしてその欠片が私の身体にも染み渡った
美しかったな
本当に美しい人だと思った
私は無意識のうちに月山ちゃんを抱きしめていた、比喩とか大袈裟とかでなくて本当に無意識に。
月山ちゃんの人より少し高い体温はちゃんとここにあった。まるみちゃんとも手を取り合いあのときの空間だけは本当だったんだな、と今になって思う
私はそんなふたりの体温とまたある言葉に涙がぼろぼろと出た。
こんな体験初めてだった、人の前で泣くのは初めてかもしれなかった。立っていられなくなった私を2人は静かに抱きしめてくれた、
生きててよかったと、言葉にしたのは
生まれて初めてだった
9時頃の海はもう暖かくて、小さかったね。
ありがとう
帰り道、手を繋いだ
アイスも食べた
防弾の音楽も時折流れるAgustDも全部全部
ちゃんとそこに愛があった
2人と別れて、なんだか夢だったのかもしれないと考えるまでになっている。
あぁ早くまた会わないと、夢にしてはだめだよ
あのあたたかな経験を少しずつ反芻しながら
私は今日も生きようと思う。
美しい思い出をありがとう。
私はあなた達が大好きだよ。
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