吐露

 

 

 

 

 

振り返れば幼稚園生のときからダンスをしていた、高校を卒業するまで転々とスタジオを変えながら踊った。大きな鏡の前で踊る 自分と憧れの人との差に吐気がするのと同時に高揚が止まらなかった。発表会があれば真っ暗闇で客席なんか一切見えない中ただひたすら踊った

ねえ知ってるかい、ステージから客席って案外見えないものなんだ 暗くて孤独のような気がして まるで誰もいない中ひとりで踊っているようなそんな気分になる。だから終演後に渡してくれる花束が大好きだった。私を見てくれる人がいるという安心感があったから

 

バンタンたちは真っ暗な客席から浮かび上がる流星群のような光だけを見ていてほしい、バンタンたちが考えるアーミーというひとつの個体が美しく綺麗な概念をもっていてほしい。

色んなアーミーがいるけどステージに立っている時だけはキラキラとした光をただ浴びていてほしい。私という1人の存在を認識しようとしなくていいし目だって合わせようとしなくていい、ただ焦点を少し遠いところにおいてぼやけた光が重なり合う多重露光のような光景だけを目に焼き付けながら歌い踊って欲しい

 

 

 

最近は悲しいことも増えて、それこそ本人達のスケジュールだったり身の回りのセキュリティがどうなんだろうと心配になることもあった

アミ達の間でも色んなことがあった 色々と変わっていくこともある 良くも悪くも。 花様年華とは振り返ったときにようやく見つけられるものだから、ついついその瞬間を見零してしまわぬよう必死になってしまうんだよ。気づいた時にはすくい上げていたはずのものがするすると手の平から落ちてしまっていることも多いのだけどね。

 

 

 

本来の生活でも悲しいことが増えた、負の感情を抱くこと自体は否定したくないけどずっと悲しいのはもう飽きたからね

 

 

 

 

だからね、バンタンたちには早くその光だけを見てほしい キラキラ輝くアミボムだけを。私がひとり悲しんでいたとしてもずっと幸福が具体化されたものだけを見てステージに立ってほしい

そして彼らの幸せそうな瞬間をアミ達と一緒にまた目に焼き付けていけたらいいのになと思う。こればかりは1人より誰かと目に閉じ込めたい

そしたら今より少し生きていける気がするしさ

 

 

 

 

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ああ、わたし踊ることが好きだ、

バンタンたちと同じステージに立つことは不可能かもしれないけど、ただただ暗い部屋で踊っている私が大きな練習室で必死に踊るバンタンたちに思いを馳せることでなんとか生きられる気がする

 

うん 防弾とともに生きなきゃね

 

 

 

 

生きてればいいのよ

みんな今日もよく頑張りました

 

 

 

みなさんがゆっくり落ち着いた日々を過ごせますように、ゼロ